
主任司祭メッセージ
変化は自分の内側から始まる
カプチン会の司祭のお話をしたいと思います。
皆様よくご存じかと思いますが、ラニエーロ・カンタラメッサ枢機卿(Fr. Raniero Cantalamessa, OFM Cap.)が今、バチカンで教皇様、枢機卿に説教および黙想会を行っております。この神父様のお話はとても深く、わかりやすいものです。
ある日、カンタラメッサ枢機卿が、黙想会終了後バチカンから自分の修道院に戻られたとき、カプチン会の同じ仲間の司祭から、「あなたは、バチカンで枢機卿に説教をなさっておりますが、あまり回心したようには思えませんね。」と言われました。カンタラメッサ枢機卿はこう答えました。「私も長い間そう思っていました。いくら準備して説教をしても誰も変わらないと。でも、今はそう思いません。今は自分が変わるために説教を準備しています。自分自身に説教をしています。私自身を変えたいと思っています。」と答えました。
アシシの聖フランシスコもカンタラメッサ枢機卿と同じように、神様より教会を立てなおすようにといわれた時、外側の建物のことだと思って、みんなと石を集めて教会をなおしました。しかし、のちに建物のことではなく、人の心が神様に向かうように立て直していくことだと感じました。それには、まず、自分自身が神様に向かわなければ、人の心が神様に向かうように立て直すことはできないと気づきました。
自分以外の人を変えるのではなく、自分自身が変わること。これがすべての模範となることだと思います。
現在、世の中において、神様を求める人はたくさんいると思います。しかし、現実は若者の教会離れ、新しい信徒が増えない、召命も少ない、教会に魅力がなくなっている、ということが起きています。これはどういうことなんでしょうか?
私からみると、教会内において、自分自身を変えるための模範となるモデルが増えたら、今の状況を一歩でも前進させることができるのではないでしょうか。自分の外ではなく内を変えることが大事だと思います。
ナイジェリアの枢機卿様は、なぜ若い人が司祭、シスターになる人が少ないのか?自問をしていました。子供が少ないのが主な理由かと思っていました。しかし、マザーテレサの修道院に行ったとき、マザーに「なぜ、教会に司祭やシスターになる人が少ないのでしょうか?」と質問したところ、マザーは「私の修道会ではそういうことはありません、むしろシスターの志願者はたくさんおります。」との返事でした。これに枢機卿様は驚き、「これはどういうことだろう?」とその時はわけがわからなかった。バチカンに帰ったのちにマザーテレサの言った言葉「私の修道会ではそういうことはありません。むしろ、シスターの志願者はたくさんおります。」の意味に気がつきました。調べてみると、マザーテレサの修道会は108の国に広がっていました。それはやはり、マザーテレサがキリストの模範としてモデルケースとしてそこにいたから、皆がそこにあこがれたから志願者が増えていったのだと枢機卿様が気づいたのでした。
マザー自身も、自分の修道院からでて、自分自身をかえることでキリストとともに歩み、皆の模範となりました。私たちもできるだけ、自分を変えていけば模範になることができると思います。
ラニエーロ・カンタラメッサ枢機卿(Fr. Raniero Cantalamessa, OFM Cap.): 1934年7月22日に生まれました。イタリアのカプチン・フランシスコ修道会の司祭であり、神学者です。1980年に教皇ヨハネ・パウロ2世によって教皇公邸(Papal Household)の説教師に任命されました。公式ウェブサイト
マザー・テレサ(Mother Teresa): 1910年に現在のマケドニア・スコピエ生まれました。学校教育を行う女子修道会に入会しました。インド・コルカタで教員をする中、同地のより貧しい人々と働く呼びかけを受け、こうした活動に専心するようになりました。1950年に「神の愛の宣教者会(Missionaries of Charity)」を創設し、長年、最も過酷で貧しい人々のために世界中で働き、その後継者たちを育ててきました。 1997年に亡くなったのち、2003年に福者、2016年には聖人に列せられました。公式ウェブサイト
変化は自分の内側から始まる
アジット・ロドリゲス 神父
Fr. Ajit Rodrigues, OFM Cap.
カプチン会の司祭のお話をしたいと思います。
皆様よくご存じかと思いますが、ラニエーロ・カンタラメッサ枢機卿(Fr. Raniero Cantalamessa, OFM Cap.)が今、バチカンで教皇様、枢機卿に説教および黙想会を行っております。この神父様のお話はとても深く、わかりやすいものです。

ある日、カンタラメッサ枢機卿が、黙想会終了後バチカンから自分の修道院に戻られたとき、カプチン会の同じ仲間の司祭から、「あなたは、バチカンで枢機卿に説教をなさっておりますが、あまり回心したようには思えませんね。」と言われました。カンタラメッサ枢機卿はこう答えました。「私も長い間そう思っていました。いくら準備して説教をしても誰も変わらないと。でも、今はそう思いません。今は自分が変わるために説教を準備しています。自分自身に説教をしています。私自身を変えたいと思っています。」と答えました。
アシシの聖フランシスコもカンタラメッサ枢機卿と同じように、神様より教会を立てなおすようにといわれた時、外側の建物のことだと思って、みんなと石を集めて教会をなおしました。しかし、のちに建物のことではなく、人の心が神様に向かうように立て直していくことだと感じました。それには、まず、自分自身が神様に向かわなければ、人の心が神様に向かうように立て直すことはできないと気づきました。
自分以外の人を変えるのではなく、自分自身が変わること。これがすべての模範となることだと思います。
現在、世の中において、神様を求める人はたくさんいると思います。しかし、現実は若者の教会離れ、新しい信徒が増えない、召命も少ない、教会に魅力がなくなっている、ということが起きています。これはどういうことなんでしょうか?
私からみると、教会内において、自分自身を変えるための模範となるモデルが増えたら、今の状況を一歩でも前進させることができるのではないでしょうか。自分の外ではなく内を変えることが大事だと思います。
ナイジェリアの枢機卿様は、なぜ若い人が司祭、シスターになる人が少ないのか?自問をしていました。子供が少ないのが主な理由かと思っていました。しかし、マザーテレサの修道院に行ったとき、マザーに「なぜ、教会に司祭やシスターになる人が少ないのでしょうか?」と質問したところ、マザーは「私の修道会ではそういうことはありません、むしろシスターの志願者はたくさんおります。」との返事でした。これに枢機卿様は驚き、「これはどういうことだろう?」とその時はわけがわからなかった。バチカンに帰ったのちにマザーテレサの言った言葉「私の修道会ではそういうことはありません。むしろ、シスターの志願者はたくさんおります。」の意味に気がつきました。調べてみると、マザーテレサの修道会は108の国に広がっていました。それはやはり、マザーテレサがキリストの模範としてモデルケースとしてそこにいたから、皆がそこにあこがれたから志願者が増えていったのだと枢機卿様が気づいたのでした。
マザー自身も、自分の修道院からでて、自分自身をかえることでキリストとともに歩み、皆の模範となりました。私たちもできるだけ、自分を変えていけば模範になることができると思います。
ラニエーロ・カンタラメッサ枢機卿(Fr. Raniero Cantalamessa, OFM Cap.):1934年7月22日に生まれました。イタリアのカプチン・フランシスコ修道会の司祭であり、神学者です。1980年に教皇ヨハネ・パウロ2世によって教皇公邸(Papal Household)の説教師に任命されました。公式ウェブサイト
マザー・テレサ(Mother Teresa):1910年に現在のマケドニア・スコピエ生まれました。学校教育を行う女子修道会に入会しました。インド・コルカタで教員をする中、同地のより貧しい人々と働く呼びかけを受け、こうした活動に専心するようになりました。1950年に「神の愛の宣教者会(Missionaries of Charity)」を創設し、長年、最も過酷で貧しい人々のために世界中で働き、その後継者たちを育ててきました。 1997年に亡くなったのち、2003年に福者、2016年には聖人に列せられました。公式ウェブサイト